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1)運動麻痺(184例)
・脊髄通電は軽度の運動麻痺を全治させることもまれではなく、高度の運動麻痺でもかな
りの程度まで改善させる。
・四肢に限らず顔面筋や躯幹筋の麻痺にも有効である。
・一般に四肢の麻痺よりは躯幹筋麻痺の方が改善されやすく、また上肢よりは下肢の方が
治りやすい。
・運動麻痺6ヶ月以内のものは全てに効果が現れた。
・数年間も固定状態にあったものでも改善が見られ、全治するものまである。
・上肢では無効26%,有効56%,著効18%。
・手指では無効25%,有効61%,著効14%。
2)知覚障害(89例)
・電気治療は神経痛や異常知覚の治療に用いられてきたが、知覚鈍麻・麻痺に対する効果
はほとんど認められていなかった。ところが低脊通電では知覚鈍麻・麻痺に対して卓効
があることが認められ、しかも15〜20分くらいで効果が現れることが多い。
・軽度の症状はたちまち完治することもまれでなく、高度の知覚麻痺でも数回の通電で大
なり小なりの改善が見られることが多い。
・脊髄通電は知覚神経系の活動神経線維を増加させ、伝導機能を高めるものと考えられる。
・脊髄通電によって部位に不鮮明な深部痛が誘発または憎悪されることがあるが、これは
脊髄通電によるさまざまな生体反応の総合結果によるものと考えられ、通電の反復によ
って約2週間前後で著しく減少または消失するので、この疼痛のために中断 することな
く、むしろ鎮静剤を投与しながらでも通電を続けるべきである。(好転反応)
・全体としては無効25%,全治14%。
・触覚では無効24.5%,全治23.6%。
・痛覚では無効23.5%,全治18.9%。
・冷覚では無効38.5%,全治20.0%。
・温覚では無効42.8%,全治17.0%。
・深部知覚では無効57%,全治15%。
・異常知覚では無効31%,全治20%。
・疼痛では無効17%,全治45%。
3)言語障害
・片麻痺にみられる言語障害に効果がある。
・原因がはっきりわからない患者の方が治癒率が高い。
・治癒率は言語不明瞭43%,吃音53%,高音不能または音量不足50%,言語易疲労性50%。
小脳性疾患にみられる緩徐言語,断綴言語、パ−キンソン氏病に見られる単調な緩徐言語
にはほとんど効果がみられない。
4)中枢性神経疾患
・自律神経障害による諸症状に有効である。
・皮膚の冷感に44%の改善効果で、多くは5〜20回の通電で消失ないし著減。
・手背、足背の浮腫に65.5%の改善効果で、6ヶ月も続いた手背の浮腫がたった1回の通電で
改善した例もある。
・発汗過多は43.5%、唾液過多は71.4%。
・皮膚の乾燥や萎縮、毛や爪の発育障害にも有効。
5)精神症状
・従来精神障害に対しては電気治療はただ暗示療法に過ぎないとされていたのに反し、運
動障害の改善目的で通電していた本人または家人から精神症状の改善が多数報告された
ことから、暗示ではなく通電によって脳に直接影響を与えた結果精神症状が改善してい
ると考えられる。
・頭重,眩暈,逆上感,不眠,耳鳴,精神的疲労性亢進,健忘,感情刺激性,抑鬱,記名
了解・計算・判断力等の減退等の改善が見られる。
・感情障害は74%,頭重は70%,睡眠障害にも卓効があった。
・精神症状の改善は、本通電によって脳波に変化が起こり、かつ脳の酸素消費量が影響を
受けること、あるいは大脳皮質や脳幹の温度が変化することなどにより、直接的に影響
を 及ぼしていることが考えられる。
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